認知症と入れ歯
2022.10.10
こんにちは 歯科技工士の八木です。
今回は「噛むこと」の重要性についてお話します。
歯の働きは食べるという咀嚼だけではなく、
「物を噛む行為は同時に脳を刺激する」
という事がわかっています。
特に高齢者の方は認知症との関連性があり、歯がなく入れ歯を入れてない人の認知症発症リスクは最大1・9倍というデータも出ており「噛むこと」はとても大事です。
当院の患者様で、長い間入れ歯を入れる事が出来ず過ごしてこられた方で、会話のキャッチボールも中々出来ない高齢の患者様の総義歯をつくりました。
会話もスムーズにできない為、義歯を作る作業もとても難しく、大変な症例でした。
やっと完成した入れ歯を何回か調整していくうちに、会話もスムーズになり、それまでは杖をついて来院されていたのですが、杖無しで来院されるようになって、私はとても嬉しく、これまでの苦労は何処かに行ってしまいました。
入れ歯で認知症例が治るというのは乱暴な考え方と思いますが、食べ物が美味しく食べられ、見た目も改善され、精神的にもゆとりが出来る事は、認知症予防だけでなく身体にとっても、とても良い影響を及ぼす事は、調べるまでもない事ですね。