2023年 新年のごあいさつ
2023.01.10
2023年 明けましておめでとうございます!
おひさま香坂歯科医院の香坂陽介です。
旧年中はご来院の方々をはじめ、多くの関係者の皆様にお世話になり心より感謝申し上げます。
本年も“口腔内の健康”から“全身の健康”が維持できるよう一層努力する所存です。
引き続きご厚情を賜りたく、切にお願い申し上げます。
以下、文章が長くなりますがお付き合い頂きますようお願い申し上げます。
皆様はどのようなお正月を過ごされましたか?
我が家ではおせち料理を作る習慣は徐々に風化しておりますが、お雑煮だけはお正月外せないメニューとしてしっかりといただいております。
今年は、学生時代に日本料理店でアルバイトしていた息子が気合の入った本格的雑煮を作ってくれました。
感動的に美味しく、子供の成長に感謝しながら幸せな元旦を過ごすことができました。
お雑煮ついて興味深い記事が新聞に載っておりました。
お正月に70歳代以上は90%の人がお雑煮を食べるのに対し、30歳代以下は50%という調査報告でした。
日本人のソウルフードと言っても過言ではないと思っていたお雑煮やお餅ですが、近年、食べない若い人が増えているようです。
門松、凧揚げ、和装での初詣、書初めなど子供のころ目にしていたお正月の風物詩は近年目にすることは少なくなりましたが、お雑煮、お餅という食文化もやがては希少なものとなるのでしょうか?(それは寂し過ぎます ;∀; )
私のお勧めは焼いたお餅でチーズを挟みその上から海苔を包む食べ方です。若い方々にもぜひ試していただき、“餅”支持層を増やしていきたいところです。
しかしながらこの時期、餅を喉に詰まらせ搬送される人が多いのも事実です。
高齢者が餅を食する際には窒息事故が起こらないようサイズを小さくしましょうとか、よく煮込んで嚙みちぎりやすくしましょうなどの注意喚起がなされますが、それ以前の問題として舌の力の低下を防ぐことが大切です。
年をとってもなんでも咬める丈夫な歯と歯ぐきがあれば食生活は安泰だと思いがちですが、実はそれだけでは咬んで飲み込むこと(咀嚼嚥下)は完結しません。
舌や喉、頬、唇の筋肉が正常に働くことが必要です。
その中でも筋肉の塊である舌は大きな役割を果します。
舌の役割は、
「食べ物を取り込む→味や温度などを感知する→食べ物を奥歯のかみ合わせの面に運ぶ→嚙み終わった食べ物を一塊にまとめ喉に送り込む→飲み込みの援助をする」ことです。
さらに嚥下(飲み込み)の際、人間は食べ物を飲み込む瞬間に0.8秒だけ息を止めています。
その間に気管を閉じて食道を開き“呼吸”と”嚥下“を切り替えているのです。
この0.8秒の動きは非常に複雑でまさに神業的です。
これには喉の奥まで位置している舌が中心的な役割をしております。
加齢で舌の筋肉が衰えるとこの神業ができなくなり、嚥下障害、誤嚥性肺炎、窒息に
繋がってしまいます。
足腰の筋肉が衰えないようにウオーキングやスクワットで筋トレするように、舌、喉、頬、唇などの口腔周囲筋の筋トレも健康寿命を延伸するためには必要です。
当院では 舌の力 咀嚼効率 唇と舌の動きの俊敏さを測る口腔機能検査を積極的に行って必要に応じベロ回しやあいうべ体操などトレーニングの方法をアドバイスさせて頂いております。
不安に思うことがあれば是非お問い合わせください。
年始にあたり 当院が2006年より掲げております不変のMISSION(使命)を記させていただきます。
各種診査(*1)により、来院者(*2)個々のリスクを明確にする。
それを来院者自身が理解する。(*3)
個々に立案した治療・予防プログラムを来院者と共に実践する。
生涯に亘る定期的口腔内のメインテナンス(*4)を基盤とし
健康寿命を延伸し、来院者の幸福に寄与する。(*5)
*1 各種検査の中に 基本的なむし歯や歯周病、かみ合わせの検査以外にも、上記のように嚥下機能に関わる口腔機能検査も含み総合的に口腔内の状態を診査します。
*2 患者さんと記さずに来院者としてるいのは、当院には患っている方だけではなく
口腔内の健康を維持するための予防処置で来院されている方が多く来院されているからです。
*3 口腔内疾患の多くは生活習慣に起因することが多く、良くない習慣の改善のために来院者と多くの対話をしていきます。
*4 口腔内細菌(歯周病菌のような悪玉菌)は減量してもリバウンドします。歯、歯肉、歯槽骨、かみ合わせ、顎関節、舌などの口腔周囲筋のために経年的変化に対応すべくメインテナンスは定期的に行う必要があります。
*5 口腔内疾患と糖尿病、血管障害、認知症、体幹バランスの不全などと密接な関係があります。
2006年より掲げたこのMISSIONを全うするために、“日就月将”の精神で本年もスタッフ一同一丸となって、今まで以上の努力・研鑽を積み重ねて前進してゆく所存です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。